見込み客を絞り込むための材料として「学校名簿」と「地域名簿」が存在しました。
学校名簿は当時、高校が独自に作成する「学校要覧」に掲載されていました。
名簿には、生徒と保護者の氏名、住所、自宅の電話番号が記載されています。その名簿のコピーが事業部に保管され、そのリストをもとに営業がアポがけをしていきます。
学校名簿の入手方法は、いわゆる「名簿業者」から購入していると聞きました。
進学校とそうではない高校の名簿では、価格差があったようです。進学校の方が大学受験をする可能性が高く、教材が売れる可能性があるため、名簿としての価値が高く、価格も高価です。
しかし、強引な訪問販売の社会問題化に伴って学校名簿を作成する高校が徐々に減少。
名簿業者が学校名簿を入手できないケースが目立つようになります。
私は、「探偵事務所」に依頼して、学校名簿を入手したことがあります。
探偵事務所の所長は「このようなご依頼はあまりお受けしないのですが・・」と困惑しつつ、共通の知人を介しての依頼だったために渋々受けてもらいました。料金は8万円。3日後には進学校の学校名簿1校分を入手してもらいました。名簿の入手方法は分かりません。ただただ、仕事の速さに驚いた記憶があります。
学校名簿をいちプレイヤーが入手した場合、その名簿で優先的にアポがけをすることができます。業界に出回っていない名簿ということは、同業他社も入手していない可能性が高いです。その学校に通っている生徒と保護者に対する営業電話も少ないため、いわゆる「マーケットが荒れていない」状態です。非常にアポが設定しやすく、また契約にもつながりやすいため、名簿の取得も大事な業務とされてきました。
「地域名簿」は、生徒が在籍している学校名が分からない名簿です。生徒の氏名、住所、電話番号だけが記載されています。
こういった名簿の場合、電話口で保護者などと会話しながら、それとなく学校名と生徒の進学意欲を聞き出します。保護者に進学させたい意向がありながら、生徒に進学意欲がない場合でもニーズはあると踏んでアポを設定します。商談で生徒に進学意欲を持たせることに注力し、契約につなげます。
生徒に進学意欲がありながら、保護者にその気がない場合でもアポ設定をします。生徒の将来性と可能性について語り、保護者の納得を取りつけて契約につなげます。
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